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[対談]ダイバーシティ研修の過去・現在・将来③「ダイバーシティ研修のこれから」

[2016.07.06] 佐藤 綾子 (ファシリテーター)  プロフィール

3回にわたり掲載している弊社ファシリテーター佐藤綾子と弊社代表取締役 松丘啓司の対談、最終回は「ダイバーシティ研修のこれから」についてお届けします。

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 ダイバーシティ研修のこれから

松丘:ダイバーシティ&インクルージョンの研修を展開していく中で、これからこうしていきたいと考えていることはありますか?

佐藤:今はどうしても女性にフォーカスが当たりがちですが、それでは十分でない気がしています。ダイバーシティ推進は上司が肝だと思うので、会社側にもそこを理解して頂きたいと考えています。ダイバーシティ推進とは、人育てをしていく上司の成長プログラムでもありますから、会社側にコミットしていただき、上司を対象としたピープルマネジメント、ダイバーシティマネジメントの研修をもっとやりたいと思っています。その取り組みの中で、より実践的に上司とメンバー、女性、部下がパートナーシップを組んで職場の困りごとを解決していくとか、アクションラーニング的に上司とメンバーが組織の問題や組織の成長について一緒に取り組んでいくというような、そういう仕組みを作りたいと思っています。個人の成長という文脈だけではなく、実際に現場で何を一緒にやるのか、組織を良くしていくとか、会社を強くしていくために、二人で取り組むようなことをしていただくのもいいかと思っています。

松丘:組織開発的な要素を取り入れて、ただ単に上司と女性部下というだけではなくて周りを巻き込んでいくイメージですね。

佐藤:そうです。そういうことに加えて、実際に女性たちも管理職になって活動していくと色々な壁にぶつかるので、管理職向けのより実践的なプログラムを提供できたらいいなと思っています。男性たちは今まで経営幹部候補育成などで学んできたけれど、女性たちが学べていないことを、一歩二歩ステップアップするためのプログラムができたらいいなと思っています。また、私自身が女性のプログラムをやらせていただく中で、毎年、違うメンバーにご参加いただきますが、その一期生二期生三期生のネットワークを作りたいと思っています。OG達のネットワークをうまく使って、その人達が自社の女性たちをどう支援していくのか、女性同士の自然発生的なメンタリングプログラムをバックアップできたらいいなと思っています。研修をやって終わりではなく、繋がる仕組みのところでもう少しお手伝いしたいと思っています。

松丘:組織に新しいネットワークをつくるとか、色々と生まれてくる新しいアイデアが広がっていくようになる。1回研修をやっただけにとどまらず、組織が変わっていくようなところに繋がっていきますね。

佐藤:そうですね。研修とは少し違うかもしれませんが、循環を埋めるようなこともやっていきたいと思います。上司とメンバーが合同で研修をする機会を増やしたいですね。

松丘:なるほど。最初の提案にはそういうものも含んでいても、どうしても予算の関係で実現が難しくなることもありますね。

taidan3.JPG佐藤:そうですね。でも、とてもいい効果が生まれた体験があります。
上司側は自分の女性部下以外をあまり知らないことが多いのですが、会社で活躍を見込まれる女性たちの想いを知ると、女性に対する理解の幅が広がり、上司の枠が広がります。女性にとっては色々な管理職にリアルに直面し、仕事に対する管理職の想いも聞ける研修になります。こういう考え方は素敵だなとか、性別は違ってもここは真似できそうだなとか、想いに心が揺さぶられる機会になり、会社の中でのつながりが生まれ、部署は違っても手伝えることあるよね、とか、色々な種火が生まれていくのを今まで見てきました。本音の対話ができるというのは研修という枠組みだからこそという気もします。外の講師がいるからこそできるっていうんですかね。研修会社が媒介する大きな意味がそこにあると思っているので、そういう機会を作っていきたいなと思っています。

松丘:最近の調査結果でも、会社全体のパフォーマンスに占める個人のパフォーマンスの比率と、コラボレーションによるネットワークのパフォーマンスの比重が大きく変ってきていることがわかってきています。以前は個人のパフォーマンスが高かったのが、ネットワークのパフォーマンスのウェイトが高まってきているのです。この点からも、ダイバーシティの研修が単純に女性活躍推進ということではなくて、会社のネットワークパワーだとか、コラボレーション力だとかそういったものを高める、そういう効果もあると言えますね。

佐藤:そうですね。全然違う仕事をしている、しかも男性上司からすると女性上司って異質な存在だったりするわけですけれども、そういう人たちの話の中にコラボレーションの種があったり、仕事は違うけれど想いは一緒という所で結びつくことが、調和のスタートになったりします。業務の話だけだとそれは生まれない気がしていて、価値観とか想いを対話していくことで繋がれるのではないかと思います。ダイバーシティという枠組みの中で色々な効果が生まれるのではないかと思っています。

<バックナンバー>
第1回「過去10年の企業の取組みの変化」
第2回「ダイバーシティ研修の今」

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