経営・人事コラム

人事コラム バックナンバー

『アイデアが湧きだすコミュニケーション』ができるまで

[2011.10.18] 松丘 啓司  プロフィール

 今週、コミュニケーションをテーマとした新刊『アイデアが湧きだすコミュニケーション-心のシグナルを読み、対話しよう』が出版されます。前作の『論理思考は万能ではない』
(2010年1月出版)から1年9か月も過ぎてしまいました。「もっと、サクサクと書きたいな」といつも思うのですが、集中する時間がとれず、どうしても間が空いてしまいます。けれども、後から考えると、アイデアがある程度まとまったら、あえて放ったらかしにしておくという、熟成期間も必要なのですよね。

 今回のコラムでは、少し、趣向を変えて、この本ができるまでを振り返ってみたいと思います。

 前作が出版されてしばらく経った、昨年の3月頃から、コミュニケーションのコラムを当社のホームページに書き始めました。その最初のコラム『相手の考えを理解せずにコミュニケーションできるか?』の内容も、今回の本に含まれています。いくつかコラムを書き溜めた段階で、前回もお世話になった出版社、ファーストプレスの上坂伸一さんに、「今度は、コミュニケーションの本を書きたいんだけど」と打診しました。メールを見返すと、昨年の7月になっています。そのとき、打ち合わせも1度だけ、やりました。

 ところが、その後、上坂さん宛のメールが今年の2月まで、パタッと途絶えています。いったい何をしていたんだろう、と思い出してみると、昨年の11月頃までは、コンサルティングプロジェクトに忙殺されていたようです。12月になって、やっと集中的にアイデアをまとめる作業を行い、今回の本の骨格となるコンセプトをA3版で2ページにぎっしりと書き込んだエクセルシートを作成しました。

 しかし、その後、また期間が空いてしまいます。今年の2月に目次案を上坂さんに送り、1度、打ち合わせをしましたが、その後、震災関係のメールをやりとりした以外は、何と7月まで連絡をとらない状態でした。上坂さんには、随分と辛抱強く、待っていただいたなと思います。実は、当社では例年、年の前半に集中的にコンテンツ開発を行います。開発メンバーが講師を兼ねているため、年の後半になるとメンバー全員の集まれる日が、ほとんどなくなってしまうからです。その時期には、同時に何本も並行して、研修コンテンツの開発を行います。

 社外には公開していませんが、当社では講師ガイドを重視しています。研修で講師が説明する内容やワークの進め方などを、一言一句、講師ガイドに記述します。そうしないと、研修内容を開発メンバー全員で正確に共有できないからです。最初に講師ガイドから作成して、テキストやワークシートは最後に作ります。つまり、研修コンテンツを作成する作業自体が、本を書くのと同じようなことなのです。さすがに、その作業と同時に、本を執筆するのは困難です。

 けれども、本の内容と研修コンテンツの内容には、当然のことながら共通点が多いため、開発メンバーと対話を重ねる中で、本のアイデアも膨らんでいきます。思い浮かんだアイデアをメモに書き留めます。最近は、Evernoteという便利なツールがあるので、パソコンからでも、スマートフォンからでも、メモに書き足していくことができます。そうしてようやく執筆を開始したのは、7月に入ってからでした。この段階でアイデアは、ほとんど熟していたため、原稿執筆に要した期間は1か月半のみでした。

 ところが、その後がまた、たいへんです。前作もそうでしたが、まず、伝えたい内容を書き上げてから、本のタイトルを考えるため、タイトルがなかなか決まりません。読者個人に目線を合わせたタイトルの方がよいか、会社のコミュニケーション変革に焦点を当てた方がよいか、軸が揺れ動き、なかなか決まりません。ちなみに、ボツになったタイトル案を幾つかご紹介しておきましょう。

(個人目線)
『「ひらめき」を呼ぶコミュニケーション』
『「気づき」を起こす対話の法則』
『アイデアはコミュニケーションから生まれる』
『言葉の意図を読み取る方法』
『成果を生み出すコミュニケーションの方法』

(会社目線)
『コミュニケーションが変われば、会社はまだまだ成長する』
『うわべだけのコミュニケーションが会社を衰退させる』
『コミュニケーションが変われば、会社は変わる』
『コミュニケーションを変えられない会社に明日はない』
『伸びる会社のコミュニケーション』

 ああでもない、こうでもない、と悩みに悩み、結局、最終的にタイトルが決まったのは、表紙のデザインができる直前の9月27日のことでした。タイトルはどちらかというと個人寄りの目線にして、帯に「会社はまだまだ伸びる」と会社目線のメッセージを入れることにしました。ともかく、完成してよかった。ご一読いただければ、たいへんうれしく思います。


» 経営・人事コラムトップに戻る


お問い合わせ・資料請求
人材育成の課題
キャリア開発

キャリア開発

個人の働きがいと組織への貢献を両立するキャリア開発を支援します。

リーダーシップ・マネジメント開発

リーダーシップ・マネジメント開発

マネジャーに必要不可欠なリーダーシップとマネジメント力を養成します。

コミュニケーション開発

コミュニケーション開発

組織や仕事に変化を起こすコミュニケーション力を養成します。

組織開発

組織開発

ビジョンと価値観を共有し成果を高める組織創りを支援します。

営業力開発

営業力開発

お客さまと自社の双方に大きな価値をもたらすことのできる提案営業力、組織営業力を開発します。

経営力開発

経営力開発

ビジネスプランの立案に必要となる知識と実践的なスキルを養成します。

人事向けメルマガ登録

PAGE UP