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- 【コラム】提案営業の基本プロセス ~「成功する」提案営業の進め方 (3)~
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提案営業の基本プロセス
では、具体的な提案営業のプロセスについて説明します。図表2にあるように、提案営業には7つの基本ステップがあります。このうちの「ターゲット顧客の選定」から「案件マネジメント」までが、提案営業の計画を立てる段階です。「提案活動」が顧客に対して実際に提案を行う段階、「進捗管理」が提案後のチェックの段階です。一見、計画ばかりを立てているように見えるかもしれませんが、実際の活動はこのように順番に行われるわけではなく、提案活動をしながら各ステップを行ったり来たりしながら行われます。つまり言い方を換えれば、提案営業とは常に考えながら営業活動を行うプロセスといえます。それでは、一つひとつ各ステップについて説明していきます。
ターゲット顧客を決める
最初はターゲット顧客の選定ですが、これがすべてのステップの中でもっとも重要です。提案営業には少なからぬ時間がかかるため、その労力に見合う成果が期待できる顧客を選定しなければなりません。実際に営業活動を開始した後で、ターゲット顧客の選定を誤っていたことに気づくケースも少なくありません。
ターゲット顧客を選定するための視点を図表3に掲げています。図表3の横軸は、潜在需要の大きさです。言い換えれば提案営業がうまくいった場合に想定されるビジネスの規模を示しています。縦軸は、その顧客との現在の関係の強さです。競合がどれだけ食い込んでいるかということの裏返しであるかもしれません。また、関係の強さは成約できるまでに必要な時間の長さをも意味します(関係が強いほど時間が短い)。
このマトリクスで見た場合に、いうまでもなく象限1の顧客がベストです。つまり大きなビジネスが期待され、それが短い時間で達成できる可能性が高いからです。しかし、このような顧客は通常、あまり多くは存在しません。象限2の顧客は、ビジネス規模は大きいのですが、時間がかかりすぎて、途中で息切れしてしまう恐れがあります。象限3の顧客は、ビジネス規模はあまり大きくありませんが、関係性の強い顧客です。よく言われる「行きやすい顧客」の多くがここに含まれます。この顧客にあまり時間を費やしても、労多くして益少なしという可能性があります。象限4の顧客はどちらもあまり大きくないので、ターゲットとしては相応しくないといえます。ポイントは、象限2の中でも象限1に近い顧客、象限3の中でも象限1に近い顧客を慎重に見つけ出すことです。
(続く)
【出展元:Business Risk Management 2007 December】
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