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最近の企業研修 - 評価者研修の動向

[2013.12.04] 松丘 啓司  プロフィール

 評価者研修といえば、かつては評価制度や評価者の心得について説明する内容が中心でしたが、最近では目標設定やフィードバックの面談における評価者のコミュニケーション力の養成に重きが置かれてきています。会社業績の向上を図るために、個人の能力開発や行動変革に対する動機付けを、より徹底して行う必要があると考える企業が増えていることが、その背景にあると考えられます。


 1対1のコミュニケーションの難しさ

 多くの企業において、評価の目的自体が、給与査定のための根拠作りから、部下育成を通じた業績向上のための目標管理(パフォーマンスマネジメント)へと重心を移してきています。それに伴って、上司と部下による1対1の面談のあり方が重要性を増していますが、面談の場が形骸化しているケースが少なくないのが実情でしょう。

 目標管理面談が上司から部下への一方的な伝達の場となっていたり、成長に向けての動機を高めるはずが、逆に部下のやる気を損なう場となってしまっていたりすることが多々あります。ひどい場合には、面談自体が行われていないことすらあります。

 部下の目標管理を支援するのがマネジャーの役割であるという認識が、浸透していないことも原因の一つですが、そもそも1対1の面談における部下とのコミュニケーションをどのように行えばよいか上司自身がよくわかっていない、という原因も見過ごせません。自分がそのような面談を受けた経験がないために、効果的なコミュニケーションの方法が理解されていないのです。


 目標管理面談の体験からの学び

 弊社の目標管理支援研修では、そもそも目標とは何のためにあるのか、評価はなぜ必要なのかを受講者自身に考えさせるところから始め、マネジャーの役割について再認識を促します。企業における評価制度について一方的に解説するのではなく、各人が自分の頭でその思想を理解することを重視しています。その上で、研修の大部分は面談の疑似体験に費やします。

 まず、上司と部下が本音を語り合えるような場創りが必要です。また、上司が自分の期待を部下に伝えるためには、部下の思いや考えにじっくり耳を傾けなければなりません。目標管理の主役は部下本人であることから、部下の課題を部下自身が内省するように促していく必要があります。それと同時に、上司は部下の成長のためにどのような支援ができるかを部下と話し合うことも必要です。

 限られた時間の中でこうしたコミュニケーションを上司が効果的に行えるようになるためには、何度も訓練を繰り返さなければなりません。研修の中で、受講者はさまざまな方法で、あるべき目標管理面談を体感していきます。

 面談の練習を通じて、受講者は行き当たりばったりの面談ではうまくいかないことを実感し、事前の準備がいかに重要であるかを理解します。また、面談の準備を行うためには、日頃から部下の行動や様子を観察し、日常的にコミュニケーションを行っていることが不可欠であることにも気づきます。つまり、受講者は目標管理面談の疑似体験を通じて、自分自身のマネジメント行動を内省することにもなるのです。


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