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- 【コラム】MIAが考えていること(2):「キャリアとは何か?」を問う
私たちエム・アイ・アソシエイツのメンバーは、お客様に提供するコンテンツやサービスの内容について、社内で頻繁に話し合っています。その対話の中で、しばしばテーマになるのが、「○○とは?」という問いです。
なぜ、私たちが「○○とは?」という問いかけを重視しているかというと、その問いについて各人が考えを共有することで、メンバーが同じテーマについて深いレベルで考え、お客様に伝えるメッセージに一貫性を持たせることができるからです。
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キャリア開発は私たちの主力サービスの一つですが、キャリア開発をサービスとして提供するからには、「キャリアとは?」という問いに対して、私たちなりの回答を持っていなければなりません。それに対する私たちの現時点での定義は次のとおりです(「現時点で」とお断りしているのは、時間とともに少しずつ変化してきているからです)。
「キャリアとは、仕事を通じて自分を成長させるプロセスであり、周囲と関わりながら一生を通じて開発し続けることができる」
この定義は一見すると、さらっと読み過ごされてしまいそうなものですが、ここからさらに問いは続きます。まず、「成長とは?」という問いです。
私たちは、キャリアにおける成長とは、「これまでと違う貢献ができる存在になること」と考えています。ある人が成長したかどうかを最初に判断するのは、周囲の人々です。誰からも認識されない、独りよがりの成長というものはあり得ません。周囲から、より役に立つようになったと感じられて、そこにはじめて成長が現れます。そのことによって、本人にも成長実感が跳ね返って得られるのです。そのため、「周囲と関わりながら」という点が重要です。
「これまでと違う貢献」とは、貢献の対象となる範囲が広がることかも知れませんし、貢献の度合いが大きくなることかも知れません。あるいは、範囲や度合いの問題ではなく、貢献の種類や性質が変わることもあるでしょう。それは、人生の中で、その人のいるステージによって変化していくものだと考えます。「一生を通じて開発し続けることができる」とは、ステージごとに成長のテーマが変わっていくことを意味しています。
最後に、周囲から貢献を認められるということは、周囲から価値を認識されるということを意味します。しかし、それは、単に周囲の期待や要求に応えるということではありません。今日では、ただ周りの期待や要求に応えるだけではなく、さらにその人ならではの価値を加えることが求められるでしょう。
他の人とは代替することができない、その人らしい仕事によって、周囲は価値ありと感じます。したがって、「仕事を通じて」とは、自分の「内の軸」(=内発的価値観)を大切にする仕事を通じて、ということを意味しています。つまり、キャリア開発とは、自分らしさを発揮する仕事への取組み方を磨いていくことによって、自分を成長させるプロセスであるとも言えるでしょう。
このような定義や基本的な考え方に沿って、私たちのキャリア研修は作られています。
≪過去の連載一覧≫
MIAが考えていること(1):育成を目指している人材像