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- 【コラム】MIAが考えていること(1):育成を目指している人材像
3月1日より弊社のオフィスは青山から赤坂に移転しました。地下鉄でわずか一駅違いの場所ですが、景色はもちろん、道行く人の雰囲気も随分、異なります。社員一同、心機一転して、ますますサービス向上に努めますので、これからもご支援のほど、よろしくお願いいたします。
ところで今週より、本コラムは私が毎回、担当することになりました。社内会議で、エム・アイ・アソシエイツという会社が考えていることを、私が代表して読者の方々にお伝えするという企画案が、多数決で決まってしまった結果です。いつまで続けるかは未定ですが、毎週こつこつ、書き続けていきたいと思いますので、どうかお付き合いください。
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さて、今年の1月に「論理思考は万能ではない」と題した書籍を発行しました。お読みいただいた方からは、おおむねご好評をいただいておりますが、この本の内容は、エム・アイ・アソシエイツの主要コンセプトを解説したものです。論理思考を批判したような書名ですが、目的は論理思考を否定することではありません。論理思考ができていなければ、ビジネスにおけるコミュニケーションは、まともに機能しなくなってしまうでしょう。
そのため、論理思考はビジネスパーソンの基礎教養と言ってよいかもしれませんが、それだけでは、大きな成果や創造的な革新は生まれません。演繹法は既知のことを論理的に説明するための思考法であり、帰納法は既存の事実から共通項を見出すための思考法です。どちらも、未知の何かを生み出すものではありません。主張は論理的に説明されなければ理解されませんが、そもそも何を主張するかを論理だけで決められることは、実際のところ稀でしょう。
したがって、論理思考のレベルをどんどん上げていけば、それに応じてビジネスの成果も高まる、というものでないことは言うまでもありません。それでは、それ以外に何が必要なのかという問いに対する回答は、企業で人事・人材開発に取り組んでおられる方々が、既に気づいておられるように思います。
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私は年間100社ほどの人事・人材開発の方々とお話しさせていただく機会がありますが、企業によって表現や重点は異なるものの、「社員にどうなってもらいたいか」という思いには、たくさんの共通点があるように感じています。人事・人材開発の方々が持つ典型的な人材イメージは、たとえば次のようなものです。
●自分の軸を持った人:自分ならではの価値、強みをしっかりと理解し、自責の意識を持っている。
●周囲を巻き込む人:チームに貢献する意識を持ちながら、周囲と積極的に関わり、働きかけ、調和しようとする。
●課題を設定できる人:ビジネス上の課題や目標を与えられるのを待つのではなく、みずから設定することができる。
●ビジョンのある人:なりたい姿のイメージを持ち、自分(たち)の仕事の意義を定義できる。
●主体的に行動できる人:成し遂げようとする意志と、学習・成長への意欲を持って行動できる。
確かに、このような人材が力を発揮する会社は強いに違いありません。しかし、問題は、どうすればそのような人材が育つのか、また、そのような人材を活かす組織に変われるのかという点にあるでしょう。
私たちエム・アイ・アソシエイツでは、日々、このテーマに取り組んで活動しています。本連載では、このテーマに関連するトピックを毎回、一つずつ取り上げ、本に書いたこと、書かなかったことを含め、毎週(「今月の特集」を更新する週は除く)、私たちの考えをご紹介していきたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いいたします。