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VUCA時代の意思決定力を鍛える経営シミュレーション

[2019.07.29] 


 エム・アイ・アソシエイツでは2015年より経営シミュレーション研修を提供しています。このプログラムはイタリアのArtémat社と提携し、同社のビジネスシミュレーションシステムを活用して集合研修形式で実施されます。次世代リーダー育成のための研修として活用されるケースが一般的です。

経営シミュレーション研修の概要

 本研修では5人前後でチームを作り、各チームが1つの会社という設定で、複数のチームが同じ市場で経営成績を競い合います。標準は2日間のコースで、合計6期の意思決定を行って、最終的に株主価値を最大化させたチームが優勝します。

 ゲーム仕立ての研修ですが、優勝することが目的ではなく、VUCAの環境における意思決定の疑似体験を通じて、求められる意思決定のあり方を理解することや、自分自身の意思決定上の課題を把握することがねらいです。

 そのため、研修においては振り返り(リフレクション)を重視しています。ただ、勝った負けたを繰り返すのではなく、「なぜ、後から考えれば当然のことに気づかなかったのだろう」「あの時、どうしてはっきりと自分の意見を言わなかったのだろう」と失敗から学ぶための振り返りに時間をかけます。

VUCA環境での意思決定の特徴

 では、経営シミュレーション研修の中で、どのようにVUCAにおける意思決定が学べるのかをごく簡単にご紹介しましょう。

V(Volatility)
 変化のサイクルが短い環境では、短時間に最適な意思決定を繰り返す必要があります。研修の中では、1期の意思決定のために最初は1時間を提供しますが、だんだんと短縮して30分まで縮めます。この間に20~40の意思決定を行わなければなりません。

 時間が足りないことは言い訳になりません。他のチームも持ち時間は同じだからです。限られた時間の中で最適な意思決定を行うために、うまく役割分担することも必須になります。

U(Uncertainty)
 不確実性の高い環境では、想定外の結果が頻繁に生じます。これまでの常識や固定観念に縛られているほど、その確率は高まってしまいます。たとえば、「価格を下げると売上が増える」という固定観念があったとしたら、売上が増えずに多額の損失が出るといった結果を招くリスクが少なくありません。

 いかにこれまでの常識や過去の成功体験に縛られずに、情勢を客観的に見て、論理的な判断ができるかが問われます。

C(Complexity)
 非常に多くの変数が複雑に絡み合った状況で、もっとも効果を高める意思決定を行うことが必要です。そのためには、一面的なものの見方をするのではなく、多様な視点や考えをインプットとすることがきわめて重要です。

 実際に研修を行ってみると、皆が同じ考え方をしているチームはまず良い成績を出すことができません。さまざまな意見をテーブルの上に出して、その中から最適解を見出すアプローチが求められます。

A(Ambiguity)
 必要な情報がすべて揃った状態で意思決定ができることはまずありません。そもそも本当に必要な情報は、実際に行動してみて、市場の声を聴かなければ把握できないことがほとんどだからです。

 そのため、限られた情報の中で仮説を立て、実験してみるという姿勢が重要です。実験と検証を繰り返す中で、成功するための方程式が徐々に構築されるのです。

数字を分析する力がおのずと身に着く

 各チームがマーケティング、製造、調達、販売、人事、財務の領域での意思決定をシステムに入力すると、結果がすぐに算出されます。このシステムでは、株主価値という最終的な指標だけでなく、その結果に至ったあらゆる経営データを、ビジュアルな画面上でドリルダウンしていくことが可能です。

 財務分析の教科書を読んでも内容を具体的に理解することは容易でありませんが、本研修では自分たちの意思決定の結果が数字に現れるため、参加者は強い関心を持って数字の分析に熱中します。どれだけ本を読んでも理解できなかったことが、ゲーム感覚で自然に体得できるという効果も大きいのです。

 経営シミュレーション研修にご関心のある方は、info@mia.co.jp までお気軽にお問合せください。

 参考:経営シミュレーション(弊社サイト)


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