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- 【コラム】おもしろそうに仕事をしているから、楽しい仕事がやってくる
私たちエム・アイ・アソシエイツは「キャリアとは、仕事を通して自分を成長させるプロセスであり、周囲と関わりながら一生開発しつづけるもの」と定義しています。本コラムでは仕事を通して自分を成長させるために、どんな視点を持つ必要があるのかについて、私の考えをご紹介したいと思います。
先日、「成長」というテーマで若手向けのキャリア研修を行いました。その中で「私たちはどんなときに成長するのか」についてディスカッションしてもらったところ、受講生から「失敗したとき」というコメントがたくさん出てきました。
そうです。たしかに私たちは失敗したときこそ、実は多くのことを学べます。このことは皆さん実感があるのではないでしょうか。
しかしながら一方で、私たちは失敗を怖れます。失敗したくない、失敗できない、と考え、チャレンジを避けることもあります。
失敗を"失敗"と捉えるか、それとも"学びの機会"と捉えるか。大切なのは、できない理由を考え、チャレンジを避けることにエネルギーを注ぐのではなく、どうやったらできるかを考え、チャレンジすることに注力すること。そうすればその後の成長へとつながります。失敗を怖れずまずはやってみること、が大切です。
そして、実際にやってみた後も重要です。失敗をしたとしても、それを学びにつなげるためには、しっかりとプロセスを振り返ること、そして他の人からもらうコメントやアドバイスを素直に受け入れること、だと思います。
まず、なぜ失敗をしたのか、どうしたら次はうまくいくのかをしっかりと振り返ること、そこから学びがうまれます。しかし私たちはこのプロセスを飛ばしてしまうことが実は多いのです。自分の失敗を振り返るのはたしかに楽しい作業ではないかもしれませんが、そこに成長のための種がたくさんあるのです。
また、失敗したことに対して周りの人からアドバイスや苦言をもらうことがあるかもしれませんが、その耳の痛い一言を素直に受け入れられるかどうか、も重要なのです。"成長の鍵は素直さにある"という言葉を聞いたことがあります。私はこの言葉は、自分に対するあまりうれしくない意見も素直に受け入れること、と捉えています。周囲からの率直なフィードバックは自分にとって嫌なもの、受け入れがたいものと感じることも多いと思いますが、言い訳をして自分を正当化するのではなく、痛いと感じるフィードバックこそ自分にとっての成長の糧にすること。叱られたり注意されたりしたことを素直に受け入れ、今後の自分に活かすという行動は、受身的ではなく勇気のある積極的な行動だと私は思います。
さて、もうひとつキャリア開発や成長において重要なのは"仕事を楽しめるように自分で工夫できるかどうか"です。以前何かの雑誌で、クリエイティブディレクターの箭内道彦さんのインタビューを読んだことがあります。とても印象的なコメントでした。以下のような内容だったと記憶しています。
「僕は『おもしろそうな仕事ができていいですね』と言われることがよくあるのですが、
僕が楽しそうに、おもしろそうに仕事をしているから、楽しい仕事がやってくるのだと思います。」
私も研修で「私の仕事はつまらないものばかり、と思っている人は、実は自分でつまらない仕事を呼び寄せているのですよ」と言っています。考えてみてください。皆さんは、つまらなそうに仕事をしている人に、仕事を任せたいと思いますか?もちろん、中にはつまらない仕事もあるとは思いますが、その仕事をそのままつまらなそうにやるか、それともその中に楽しさを見出し、楽しそうに取り組もうとするか、は自分で選べることだと私は思うのです。
おもしろい仕事とは、探し求めるものではなく、仕事をおもしろくできるように工夫していると、あとからついてくるものではないでしょうか。自分の仕事がつまらない、と嘆いていても何も変わりません。仕事をおもしろく、楽しくできるかどうかは自分しだいです。
私自身がキャリア開発や成長というテーマで研修を行う講師として信じているのは「自分の可能性は自分で制限しない限り、無限に広がっている」ということです。勝手に自分に枠を作って、その中の自分で無理やり満足しようとしている人には、枠を出た世界のおもしろさや楽しさ、世界の広がりを伝えられるよう、日々仕事に取り組んでいます。