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- 【コラム】「聞く」ことを学ぶ機会はそうそうない
学校教育で「聞く」ことを学ぶ機会はほとんどない。セミナーで受講生のみなさんに「聞く」ことを学んだことはありますか、と質問しても、ほとんどの人が「ない」と答える。そのような受講生の
皆さんに「聞く」ことの難しさや重要性に気付いてもらうのが私の目指すところである。
先日、「聞く」ことに焦点を絞ったセミナーを行った。アンケートでは、
・自分が聞きたいように聞いていたことに気付いた
・聞くときには、自己管理が大切だと気付いた
・言葉以外の非言語コミュニケーションの大切さを体感ワークで実感できた
・アクションプランを立てたので、次の行動につながると思う
など、現在の自分の聞き方の状態に気付き、今後さらに聞き方を磨きたいと思うというコメントが多数見受けられた。
私は講師として、多くの受講者の方がこのように気付き、行動変容につなげてもらえることをとても嬉しく思う。
かつて、私は「聞き上手ですね」と言われることが多かった。自分でも集中して人の話を聞くことができる方だと自負もしていた。
しかし、その後カウンセリングの勉強をするようになって、いかに自分が人の話を聞いていないかということに気付かされた。カウンセリングの勉強の中では、スーパーバイザーにカウンセリングに同席してもらい指導をしていただく機会がある。そこで、鋭い指摘を受けて、自分が人の話を勝手に解釈して聞いていたということに気付かせてもらえた。これをきっかけにして、「聞く」ことは、自分の理性、感性、知性が深く問われことであると思うようになった。
また、かつて私の部下だった人に、とにかく話を聞いてもらえて本当に感謝していると言われたことがあった。私にとっては意外な反応でもあったが、部下の言葉は心からの感謝を表していたため、人に話を聞いてもらえることが大きな喜びになるということを実感することができた。
このような自分の体験からも、研修にご参加いただいた皆さんには、聞くことの難しさと同時に、その素晴らしさを理解してほしいと思っている。これからも、セミナーを通じて聞くことの大切さを伝えていきたい。