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- 【コラム】受講生がいつの間にかノッてしまう「場」づくり
私は研修の現場が好きである。
受講生と一緒に作り上げる、ダイナミックな感じが好きで、またその"場"から生まれるエネルギーに毎回心を動かされている。研修は「生もの」で、コンテンツは同じでも受講生が違うので、
毎回違った色合いになる。一人ひとりの個性の化学反応によってよりよいものが生み出されたり、一人では気づけないことも、他の人との関わりを通して気づくことができる。このグループダイナミズムが、研修の醍醐味だと思っている。(書いていて思ったが、これは組織で働くことの醍醐味とも共通している)
そして私は最近、効果的な学びの"場"をどうやってつくるかについて考えている。私が講師として心がけているのは、受講生が『いつの間にかノッてしまう、場づくり』である。受講生が、気づいたら研修に入り込んでいて、つい本音が言えていて、振り返ればたくさんの気づきを得ていた、という"場"をつくること。(もちろん難しいが・・・)
そのために、いろいろな工夫を考えたり、作戦を練ったり、事前に綿密な計画・デザインをする。そして、当日は私自身も受講生と一緒に"場"をつくるメンバーの一人として、等身大の自分でのぞみながら、参加者の生み出す雰囲気や流れを活かして進行していく。
ちなみに、この"場づくり"の感覚。私自身にとってはどこか懐かしいものだった。自分の記憶をたどると、小中学校の頃に行き着いた。当時私は、生徒会や学校行事などを計画したり、仕切ったりすることが多く、全校生徒が一緒に盛り上がり、楽しむためはどんな企画や仕掛けがいいか、あれこれ作戦を練りながら、プロデュースするが好きだった。
そして、行事を企画運営するときには、
「私がやるからには絶対他とは違うものにしたい」
「私たちの代だからこその味を出したい」
「みんなの"記憶"に残るようなものにしたい」
という自分なりのこだわりを持っていて、計画(ときに野望)の実現に向けて、周囲や先生たちをどんどん巻き込んでいた。(職員室では、「また佐藤が何かたくらんでいる!」と厄介者扱いだったようだが・・・)実はこの感覚、今自分が仕事で大切にしている価値観や仕事のやり方に非常に通じている。振り返るまで気づかなかったが、これが「私らしさ」なのだと思う。
研修の仕事をすればするほど、新たな気づきが得られる。こうやって振り返ってみると、今の仕事は自分の"ワクワク"のルーツにつながっていると思うし、めぐりめぐってこの仕事に辿り着いたのだが、なんだか縁のようなものさえ感じられる。その中で再発見した"場づくり"の感覚は、私ならではの仕事のテーマとして、これからも深めていきたいと思っている。