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- 【コラム】本当の意味で人の話を「聴く」のは難しい
~忙しいからこそ、急がば回れ~
研修の現場にいると、色んなマネジャーの方にお会いする。最近は、通常はプレイングマネジャーとして現場の前線で忙しく走り回っていらっしゃる方が多いので、現場での悩みを
お聴きしていると、"うんうん、そうだよね"とつい自分自身ともシンクロさせてしまうことが多々ある。
・忙しくてコミュニケーションを取る間がない
・メンバーの年齢や経験が多様で、一体感を作りにくい
・メンバーのスキルが追いつかない、成長が待てない
本当に現場のマネジャーの悩みは尽きない。
我々の研修では、それでもあえて、職場での対話の大切さを強調している。先月、ある研修では「聴く」練習を行った。やわらかいボールを持って、グループが輪になってボールを渡しながら一言ずつ言葉をつないでいく。ボールを持っていない人は決して口を挟んではいけない。すると、リズミカルに話が発展するグループと、すぐにとまってしまうグループに分かれる。
これをペアでやると、難易度はさらに上がる。聴き手役をやっているはずなのに、あれあれ・・・、
いつの間にか話の主導権を握ってアドバイスしてしまったり、自分の話を始めてしまったりする方もいる。
忙しい現場のマネジャーがこんなにじっくり話を聴くなんて、もどかしく感じるだろうな、と思いながら観察していたが、ロールプレイをやってみた皆さんの感想は、
・本当の意味で人の話を聴く、というのは本当に難しい
・特に相手の感情や価値観を聴くことは難しい
・でも、これができたらきっと自分の仕事は楽になる
・相手に本気で関わらないと、相手も本気に話さない
などなど、まずは「聴く」ことの大切さと、そこに求められる誠実さを実感していただけたようだ。
職場で起こっているあらゆる問題は、コミュニケーション不全によって引き起こされていることが、とても多い。 そして、重要なのは聴く「スキル」だけではなく、「何を聴くか?」ということ。
愚痴や不満を聴いてあげればガス抜きにはなるかもしれないが、実は大切なのは、その奥に隠された熱い想いや本音を引き出して、理解しようとすること。本音を真剣にぶつけ合うことで、何か新しいものが生まれる、それが組織で動く醍醐味であろう。
エネルギーが要るし、面倒だったりするかもしれないが、忙しいマネジャーの皆さん、「急がば回れ」である!
自戒の念を込めて。