経営・人事コラム

人事コラム バックナンバー

個のマインドを高める技術 (1) マインドがケイパビリティを牽引する

[2006.07.14] 池上 孝一 (イケガミ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役社長)  プロフィール

マインドとは、個人の心の持ちようのことであり、意識や気持ちともよばれるものであり、意志と意欲の二つの要素によって形成されている。
ビジネスにおいて、個人はケイパビリティを高めれば、成果を上げることが可能であると考えられがちだが、けっしてそれだけではないのである。本当に高い成果を上げる人材は、高いケイパビリティを備えるとともに、しっかりしたマインドを持っているのである。
ケイパビリティとマインドは、個人にとって車の両輪のようなものである。どちらが欠けても、ビジネスにおいて成功を勝ち取ることはできない。ケイパビリティとマインドが高いレベルでバランスしていることが、重要なのである。

シアトル・マリナーズのイチロー選手は、日本において、7年連続首位打者などの数々の記録を打ち立てているが、メジャーリーグにおいても、2004年のシーズンでは262本の安打を打ち、84年ぶりに年間最多安打記録を更新するなど、野球における高いケイパビリティを保持している。
もし、ほかの人が彼と同じケイパビリティを習得すれば、同じような高い成果を出せるだろうか。極端な話、クローン人間やロボットを作り、イチローと同じケイパビリティを具備させれば、同じような成果を出せるのだろうか。答えは、明らかにノーである。
イチローがあれだけの成果を出せるのは、高いケイパビリティを持つと同時に、一つの目標を実現するとすぐに次の目標を立て、ストイックなまでにそれにこだわるという明確な意志や、第1回のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で見せた、野球に対する人並み外れた高い意欲などが備わっているからこそである。それらは、他人にはそう簡単にまねできるものではないのである。

つまり、ケイパビリティを支える内面の要素、すなわちマインドが非常に大きな鍵を握っている。マインドとケイパビリティは、個人が持てる力をフルに発揮するためには、どちらも欠かせないものなのである。
では、マインドとケイパビリティのどちらを先に身につければよいのか。優先すべきはマインドである。マインドが備わっていれば、ケイパビリティはいくらでも高めることができる。しかし、ケイパビリティが高くてもマインドが伴わなければ、そのケイパビリティもすぐに陳腐化してしまうのである。
マインドとケイパビリティは車の両輪だと言ったが、とりわけマインドは、ケイパビリティを牽引し、個人の成長の鍵を握るのである。

- 続く -


詳細は、『人を大切にする経営』(池上孝一・岡村直昭著、ファーストプレス発行)をご一読ください。

» 経営・人事コラムトップに戻る


お問い合わせ・資料請求
人材育成の課題
キャリア開発

キャリア開発

個人の働きがいと組織への貢献を両立するキャリア開発を支援します。

リーダーシップ・マネジメント開発

リーダーシップ・マネジメント開発

マネジャーに必要不可欠なリーダーシップとマネジメント力を養成します。

コミュニケーション開発

コミュニケーション開発

組織や仕事に変化を起こすコミュニケーション力を養成します。

組織開発

組織開発

ビジョンと価値観を共有し成果を高める組織創りを支援します。

営業力開発

営業力開発

お客さまと自社の双方に大きな価値をもたらすことのできる提案営業力、組織営業力を開発します。

経営力開発

経営力開発

ビジネスプランの立案に必要となる知識と実践的なスキルを養成します。

人事向けメルマガ登録

PAGE UP