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仕事を面白くする方法 (1) 組織内一人親方のすすめ

[2006.03.10] 関島 康雄 (3Dラーニング・アソシエイツ 代表)

最近、「組織内一人親方のすすめ」という本を書いた。仕事は面白いということを、今後成長を期待する人に、もっと説明すべきだと思ったからだ。世の中にはプロになれとかキャリアを追求すべきなどの声が溢れている。しかし、仕事が面白くなければ、プロにもなれないしキャリアの追求もできない。だから、どうすれば仕事は面白くなるかがまず解決すべきテーマだと考えた。

私の一冊目の本、「Aクラス人材の育成戦略」は、組織の立場から、どうすれば人をうまく育てられるかについて検討したもので、経営者や人材開発の仕事に携わる人を読者として想定していた。ところが意外なことに、大学の同期生や会社の同僚に本を差し上げたところ、息子さんが親父から取り上げて読んでしまったとか、娘さんが面白いとと言ったとかの感想が寄せられた。仕事を面白くするための方法についてもう少し詳しく説明して欲しいという意見もあった。若い人の、会社の生活とはいったいどんなものかという関心に、父親も含めて、まわりが上手にこたえていないために起こったことではないかと思う。部下にも、どうすれば仕事が面白くなるかを十分に説明していなかったと反省した。そこで、今度は個人の立場から、どうすれば自分で育つことが出来るか、どうすれば仕事がおもしろくなるかを検討することにした。それが、「組織内一人親方のすすめ」である。

自分の体験を振り返れば、「仕事は大変だったが面白かった」が感想だ。世の中の多くの人も口にはあまり出さないが、そう思っているはずだ。そうでなければ、いくら家族のためとはいえ、長くは続けられない。従って、体験に基づいて、仕事を面白くする方法を説明すればよいと、始めは簡単に考えた。ところが、やってみて分かったのだが、これがとても難しい。面白かった体験を話すと自慢話と受け取られてしまいそうになる。そうならないように注意すると、今度はお説教臭くなってしまう。

そこで、一人親方という概念を土台に、体験と論理を照らし合わせることにより、自分で育つやり方を少しずつ理解してもらうという方法を採用することにした。人に育てられるのではなく、「自分で育つ」が仕事を面白くするコツなのだ。後で詳しく説明するが、一人親方とは、自分自身が経営者でもあり従業員でもあるような自律した専門家のことである。照らし合わせる理論の方は、キャリア論とリーダーシップ論、それに戦略理論の三つとした。理由は、仕事と人生は分かちがたく結びついているので、仕事を考えるということはどうしても、どういう人生をおくりたいかを考えることになる。そのためには、キャリア観、自分自身に対して発揮するリーダーシップ、目標を達成するための戦略の三つが必要になる。仕事を面白くするためには、自分らしい仕事を選び、自分に合っているので好きになり、好きだから上手になり、進歩がわかるので努力でき、その結果、専門性が高まって何か良いことに貢献できるというのが理想のである。しかし、このプロセスを回すためには、一人親方という概念と仕事を選ぶ時の考え方を理解する必要がある。このことを次に考えてみよう。

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