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仕事を面白くする方法 (3) 適職は自分で作る

[2006.03.24] 関島 康雄 (3Dラーニング・アソシエイツ 代表)

どのような人生を送りたいかというキャリア観の中心をなす課題は、人によって早く見つけられる人もいるし、相当の時間がたってからでないとそのような課題があることにすら気付かない人もいる。山登りの例をあげれば、エベレストに登りたいと日々、鍛錬する人もいる。日本百名山を踏破したいと考える人もいる。景色や道端の花を眺めながら、ゆっくり登る人もいる。同様に、キャリアの追求の仕方も、いろいろなタイプがあってよいのだが、山登りと違ってキャリアは、自分に適したものはどれかが分かりにくい。自分のことを自分で分かるというのは、簡単ではないからだ。しかし、じっと自分のことを観察し、自分は何が好きかを考えていれば徐々に、あるいは突然、分かる時がくる。だから、まだ自分らしい仕事が何かを見つけられていなくても、あわてる必要はない。ただし、誰かに教えてもらうのではなく、自分でみつける以外に方法はないことは覚悟すべきだと思う。

自分の性格や資質に適した仕事が、どこかに必ずあるはずだと考える人が時々いる。これは、適職という誰かほかの人が作ったものが存在し、自分はそれを発見しさえすればうまくいくというものだが、適性検査や資質のアセスメントという道具の発達が作り出した幻想に過ぎない。外交的なセールスマンがいつも成功するとは限らない。口数は少ないが人の話を良く聴くことで売り上げを伸ばすセールスマンもいる。人間の資質というのは複雑で、その範囲が広い上に、適応性や学習能力といったものの影響も大きい。実は向いている仕事の数の方が、向いていない仕事の数より断然、多いのである。それゆえ、あまり深く考えずに仕事を選択したとしても、それほど間違いではない。それよりも仕事についたあとの行動のほうが重要である。

適職はだれか第三者が作るのではなく、自分で作るという方が正しい。適するという言葉を広く捉えて、自分らしさが表現できる仕事のしかたは何かを考えるのが良い。どんな仕事でも、上手にやる方法が一つしかないということはありえないし、上達の方法が一つしかないということもない。必ず複数のものが存在する。その中から自分に合う方法を選べばよい。なければ作り出せばよい。典型的な人事屋とかエンジニアという形があったとしても、それに合わなければ成功できないということはなく、多くの場合、成功するのはむしろ新しいタイプを作り出す人である。つまり適職を作ってしまった人が勝ちなのだ。

目標と手段の関係は、目標が「自分らしい人生を送りたい」というような抽象度の高いもので、達成に時間を要するものの場合、複雑にならざるをえない。長い間にはまわりの条件が変化するので、遠くの目標自体は変更しなくとも、中間目標やその達成手段は柔軟に変更する必要がでてくる。従って初めから全てを決定してしまうことは出来ないし、好ましくもない。遠くの目標までの中間目標を設定し、そこまでいったらまた考えようという姿勢が重要に成る。まず歩き出すことが大切なのである。歩き出してみて分かったことにもとづいて方向を修正するほうが「正解」は見つけやすい。

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