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【ミドル・シニア向けキャリア研修】オリックス株式会社様

オリックス株式会社では今後50代の社員が年々増加していく一方、改正高年齢者雇用安定法により65歳までの雇用延長が制度的に導入される状況を考慮して、シニア層の方々が社内における役割と意義を自ら創造し高いパフォーマンスを発揮して頂くことを目的に、2011年度よりシニア層向けのキャリア開発支援施策を始めました。その一環として、50歳社員を対象とした「キャリアデザイン研修」を実施し、エム・アイ・アソシエイツ(以下、MIA)では2012年度より研修プログラムを提供しています。
今回は人事部人材開発チームの長谷川様、青木様、小俣様に研修導入の経緯や実施後の成果などについてお伺いしました。
(インタビュー日:2012年11月1日/役職はインタビュー当時のもの/以下敬称略)

Q1.シニア人材の活躍・活用に注力されるようになったきっかけは何でしょうか。

人事部人材開発チーム課長<br />長谷川様

人事部人材開発チーム課長 長谷川様

長谷川
きっかけは、大きく2つあります。
1つ目は、社員の人口動態が大きく変わることです。現在の人口構成はほぼピラミッド型で、50代の人が少なく、40代のバブル入社と団塊ジュニアのところに山があります。今後、その人口の山が大きく変化し、徐々にドラム缶型に変化していくことが想定されています。
2つ目は、法制度の改正です。これからは65歳まで希望者全員を雇用することが義務付けられます。この層の方々に活躍してもらう、活用するというテーマは、これからの日本企業の人事部門の腕の見せ所だと思っています。
シニア層の社員の活性化は現時点での課題でもありますが、今後この課題はより大きくなっていきます。課題の克服は一朝一夕にはいかないので、今のうちから布石をしっかり打っていこうと決めました。

Q2.シニア人材の育成・活用のテーマと具体的に取り組まれていることは何でしょうか。

長谷川
「シニア人材の職務・キャリア開発」というものがテーマだと思います。具体的な取り組みは3つあります。
1つ目は、「キャリアデザイン研修」で、MIAにお願いしているものです。ここでは、「現状や取り巻く環境の理解」、「過去の振り返りを通じた価値観の理解」、それらを踏まえて「どういうキャリアビジョン・アクションプランを立てるか」といったことを考える「きっかけ」を提供しています。
2つ目は、職務開拓とマッチングの仕組み作りです。今年から50歳以上社員向けの「社内公募」と「キャリアエントリー制度」を導入しました。「社内公募」は求人型のマッチングで、今年の6月に続いて11月に第2弾を実施する予定です。一方、いわゆる社内FA制度である「キャリアエントリー制度」は求職型のマッチングで、この10月から開始しました。
3つ目は、人事部のキャリア・ライフデザイン支援担当による「個別キャリア相談」です。
 以上3つが、現在実施している取り組みの柱になっています。

Q3.シニア人材を活性化する上での一番の課題は何だと思われますか。

長谷川
課題の話に入る前に、シニア層だけではなく、活き活きと仕事をする際のキーワードは、「役割」にあると感じています。これは「意味」と置き換えても良いかもしれません。「自分にはここで果たす役割がある」もしくは「自分がここにいる意味がある」ということを実感できることが大切です。こうした「役割」、「意味」は職場にもありますが、家庭すなわち夫婦や親子関係の中にも、趣味の中にも、そして地域活動の中にもあります。これらをどれだけ実感できるかがとても重要なポイントだと思います。
シニア層を活性化する上での一番の課題は、「役割」、「意味」をどう実感してもらうかという仕組み作りだと考えています。会社からすると、「その仕事をやっている意味」を自身で感じられるような仕事を提供することです。社員からすると、「自分がここにいる意味」もしくは「自分が果たす役割」を実感しながら仕事をして、かつ成果をあげていくことです。
お互いに、良い意味での「緊張感」と「安心感」をどうやって醸成していくのかということではないかと思います。もちろん、これは理想の話で、全部が全部そううまくはいかないとは思いますが、こうした働き方をしている社員が一定数出てくれば良いと思います。

Q4.シニア人材のキャリア開発支援の一環として、MIAの研修を採用していただいた理由をお聞かせください。

人事部人材開発チーム課長 小俣様

人事部人材開発チーム課長 小俣様

小俣
「65歳までの雇用延長」の可能性が高くなってきて(注:当時改正高年齢者雇用安定法はまだ法案の段階)、「ライフとキャリア」というより「キャリアの部分をしっかり考えていく」研修が必要ではないかという考えに至りました。
昨年からアプローチをしていただいていたMIAの研修プログラムは、「キャリア」についてとても重要視していて、かつ様々な教材やウェブ診断(注:思考・行動特性診断、ライフキャリア診断)などのツールも多く備えていることが、私たちのニーズに合っていました。もう1つは、講師の田島さんの話し方や人柄などが、「当社に合うのではないか」というのが決め手になりました。

人事部人材開発チーム担当部長 青木様

人事部人材開発チーム担当部長 青木様

青木
「50代で自分の専門性をしっかり認識する」、もし専門性が十分でなければ「50代で専門性を育んでいく」ことが必要だと思います。言い換えれば、「50代で自分のあり方や役割が見つかることが大切である」ということです。そのため、研修では「自分の専門性、なりたい姿、持っていきたい方向性」というものをしっかり掴んで欲しいという気持ちがありました。
MIAのキャリアデザイン研修では、これらのことについてかなり緻密にプログラムが作られている印象がありました。そのため、このプログラムの中で「どこまで当社の社員が専門性や向かっていく方向性を掴めるかどうか」を試す価値があると考えたのです。研修前に受検した診断ツールの分析結果を踏まえ、もう1度研修中に考えるやり方が、受講者のより深い自己分析を可能にするのではないかと感じました。

Q5.これまで4回実施させていただきましたが、率直な感想をお聞かせください。

小俣
現時点でちょうど4回が終わりましたが、正直に言いまして、回を重ねるごとに内容が少しずつ変わってきています。研修終了後に毎回、受講者の反応やアンケート結果に基づいて、「今回はどのようなところが足りなかったのか」について、営業の高橋さんや講師の田島さんにも同席していただいて分析し、「次回はこんな風に変えていこう」という話し合いをもっています。
プログラムの本筋は変わってはいませんが、テキストの表現を一部変えたり、説明の仕方の強調ポイントを変えたりと、その都度工夫や改善をしていただいて、話し合った内容に基づいた研修運営をしていただいています。研修は、受講者にもよりますし、「100%完璧だ」というものはないですが、毎回このような改善努力をしていただいていることには、大変感謝しています。

青木
この研修に参加する人たちは自分で手を挙げた人たちではありません。年齢で該当する社員は全員参加してもらっています。そのため、かなり多様な気持ち、異なるスタンスを持って研修に参加していると思います。「参加する意味を感じていない」という人から、「是非参加したい」という人まで、参加意欲が違う20数名に対して研修を行うので、講師の田島さんのファシリテーションは非常に大変だと感じています。講師の田島さんには、私たちからの「こういう方々はこういう風に思うので、こんな風に説明したら受け入れてくれるのではないか」などの意見を受けて、細かい手直しに快く対応していただいています。このことには非常に感謝しています。

Q6.今回の研修について、会社としての成果は見えてきましたでしょうか。

青木
「シニア層向けの取り組み」の柱ということで、シニア社員向けの「社内公募」、「キャリアエントリー制度」と、今回の「キャリアデザイン研修」を、「三位一体」的に運用する位置づけにしています。したがって、研修を単独で評価することはありません。私たちとしては、「トータルなキャリアサポート」ということで、研修をその中の1つとして見ています。ですから、「この研修でどう変わったかを見る」というよりは、「この研修を受けたことで社内公募に応募しました」とか「もっと話をしたいのでキャリアエントリー制度に登録しました」ということによって、評価されると思います。
社内公募は今年の6月から、キャリアエントリー制度はこの10月から開始し、キャリアデザイン研修と合わせ「総合的な効果」を高めようとしています。「研修企業に責任を云々」ということではなしに、私たちの中で「総合的な効果」があるのかを見ているわけです。

小俣
先ほども述べましたが、研修終了後にアンケートを取っています。このアンケートの内容から、「キャリアを考える上で良いきっかけになった」という意見も多く出ていますし、「気づきを大切にして自分のキャリアをしっかり考えよう」という方々も増えてきています。
今年6月に実施した1回目の社内公募では、手を挙げた社員の約7割がキャリアデザイン研修の受講者でした。これを考えると、この研修が良い形で成果につながってきているように感じます。

Q7.最後に、全体を総括して一言お願いします。

長谷川
三位一体でやっていく中で、この研修が「きっかけを与える重要なパーツとして機能している」という感じがします。社内公募やキャリアエントリー制度でマッチングをした後に、活躍してもらうことが本質的な課題だと思いますので、この三位一体が上手くまわっていくようになれば良いと思います。

社内公募やキャリアエントリー制度は、社内での「疑似労働市場」を作るということだと考えています。そんなにたくさんのマッチングはできないかもしれませんが、このような制度を通して、「人」の情報、「仕事」の情報をできる限り集めることが重要となります。「市場」ですので、そこに飛び交っている情報がたくさんないと「市場」は成り立ちませんからね。いつでも活性化している「市場」になるように努力したいと思います。

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