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マネジメント力をどう育成するか

マネジメント力をどう育成するか

[2007.10.01] 小林 知巳  プロフィール

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最近、企業において組織の疲弊現象が増えているようです。例えば、若手をはじめとする人材の意欲低下や流出、創造性や健全性の低下などに悩む企業は後を絶ちません。一方で、活力に富んだ「元気な」企業組織が存在することも事実です。

これまで組織診断や組織改革のコンサルティングを通じてさまざまな組織に接してきた実感から、組織の活力を左右する企業の構成要素として、中間管理職の存在が大きいと考えています。

中間管理職が、どのような心構え(マネジメント・マインド)を持って、どのようなマネジメント行動を取っているかによって、組織の大勢を占める若手や中堅メンバーの成長性やモチベーションは大きく異なってきます。もちろん、多くの企業が中間管理職の活性化をめざし、育成に力を入れています。しかし、どのようなマインドと行動が求められるのかを具体的に明示しながら、両者を融合させたマネジメント力を育成している例は、まだ少ないと認識しています。

以降で、マネジメント行動とマインドの概要について見ていきましょう。
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実行の連鎖が求められるマネジメント行動

中間管理職に求められる行動は、2種類に大別されます。1つは、部下に目標を与え、その達成に向けてモチベートし、仕事の状況をモニターし、成果の評価とフィードバックを行い、次の目標への挑戦を促す、というPLAN、DO、CHECK、ACTION、の一連のマネジメント行動を実行することです。

もう1つは、現場において、部下に実務的なアドバイスを与えることです。例えば、顧客に信頼を得るために何をすべきか?、あるいは、業務の遂行に必要な情報をどう収集するのか?、など、1つひとつは基本的なことですが、その場で即行うことが有効なアドバイスを確実に実施することです。

マネジメント行動において重要なことは、まず実行を徹底することです。特に前者のPDCA推進は、一部が実行できても、欠落があると全体の効果が極端に小さくなります。例えば、目標は付与するものの、その達成状況を適宜フォローできないために達成度が落ちる、あるいは評価・フィードバックができないために部下の改善や成長につながらない、といった状況が頻繁に見受けられます。個々のマネジメント行動が、一連のサイクルとしてつながってはじめて効果が上がるのです。つまり、どの段階で、どのような行動を取るべきかという全体像を十分に理解した上で、一連の行動を意識的に 連鎖させていく力をつけることが重要です。

マネジメント・マインドとは

管理職が持つべきマネジメント・マインドには大きく2種類があると思います。

一つは仕事に対する姿勢そのものであり、その人の人生・仕事に対する志から発生するものです。

そしてもう一つが自らの意識により開発育成でき得る日々の仕事に直結したマインドです。今回は中間管理職に最も求められる二つ目のマインドについて書きたいと思います。

マネジメント・マインドは直接外部から見えるものではありませんが、その人のマネジメント行動の源となり、マネジメント対象である部下やプロジェクト組織そのものへ大きく影響します。何故ならマインドそのものを持っていなかったり、また、間違った持ち方をしているとそれがそのまま中間管理職の言動となって表面に現れるからです。マネジメント・マインドは管理職の言動を決定する非常に重要なファクターなのです。

では、マネジメント・マインドを具体的にどのように捉えれば良いのでしょうか。我々はマネジメント・マインドを「責任感」・「自得」・「共感力」の三つの要素として定義しています。

「責任感」とは業務そのものを達成しようとする強い使命感やマネジメント対象である部下の成長を支えるという強い意思などが該当します。また、「自得」とは自分自身を知ると同時に自分自身が周囲にどう映っているかを認識する自己認識力であり、かつ全ての問題を自分自身の問題として引き受ける器の大きさを指します。三つ目の「共感力」は相手の立場に立って気持ちを理解していこうとする心や、他者の一人一人を個人として尊重し暖かい心遣いや気配りを大切にする心のことです。まずは、これらのマネジメント・マインドを意識することが、有効なマネジメント行動への第一歩となります。

これら「責任感」・「自得」・「共感力」というマネジメント・マインドの三つの要素は、できるだけバランスよく持っていることが理想ですが、その自己評価は主観的になりがちです。日常のマネジメント行動の基礎となるマインドを失っていないか、また、忘れていないかを、客観的なフィードバックを受けながらチェックすることが大切です。

総合的なマネジメント力の育成

以上で概観した、マネジメント行動とマネジメント・マインドとは、日常のマネジメントにおいては一体化しており、個別に意識することはほとんど無いでしょう。しかし、育成の局面においては、マネジメントにおける車の両輪である両者が、それぞれ現在どの程度備わっているか、そしてどのように変えていくべきか、をまず意識して別個に理解し納得する必要があります。その上で双方を一体化させた実践力を育成することが有効なのです。

なぜなら、「望ましいマネジメント行動を取っているのにもかかわらず、マインドが偏っている」、あるいは「望ましいマインドを持っているにもかかわらず行動が伴わない」といったマインドと行動のバランスの欠如により、部下を疲弊させたり組織に悪影響を与えてしまう例が実際に多いからです。

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