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MIAが考えていること(7):キャリア開発と事業戦略の共通点

[2010.04.22] 松丘 啓司  プロフィール

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 キャリア開発は当社のコアとなるサービスです。その一方で、当社では企業の事業戦略立案の支援も行っています。これらはまったく別物のように感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、両者の基本的考え方には大きな共通点があると考えています。違うのは個人の戦略か、組織の戦略かという点です。当社の発想の中では、キャリア開発、リーダーシップ開発、事業戦略、営業戦略といったテーマには、互いに重なり合う部分が少なくありません。

 拙著(「論理思考は万能ではない」)でも書きましたが、事業戦略とは論理的に導き出されるものといった固定観念が、世の中に少なからず存在するように思います。論理は不可欠ですが、論理だけで事業戦略は立てられるものではありません。組織が、リーダーがどのような価値を大切にしたいかという価値観の軸がなく、ただ論理だけで作られた戦略は、無味乾燥で個性の乏しいものになってしまうでしょう。

 一方で、キャリア開発についても同じようなことが言えます。キャリア開発というと、自己啓発的で論理とは別次元のことのように感じられるかもしれません。しかし、自分はこれをやりたい、あんな風になりたいと夢を描くだけでは、それが実現することはありません。自分の内発的な価値観を大切にしながら、どのようにしてそれを活かして成長してくかという道筋には、事業戦略と共通した論理展開が当てはまります。

 両者の共通点の一つは、「強み」を作るということです。事業戦略とは、強みを持った事業を作るための戦略です。事業の強みは、顧客のニーズ(それが顕在的なものであれ、潜在的なものであれ)にかなうものでなければなりません。しかし、ただ顧客のニーズに沿っているだけではなく、自社の提供する価値が差別化されていなければなりません。差別化されているとは、他社とは異なる自社ならではの価値が提供されることです。

 キャリア開発もまた、自分の強みを作ることです。自分の強みは一人よがりの強みではなく、周囲から認められるものでなければなりません。つまり、周囲の期待(それが顕在的なものであれ、潜在的なものであれ)を満たすことが必要です。しかし、ただ周囲の期待に応えるだけではなく、他者とは代替のできない自分ならではの価値が発揮されなければなりません。自分ならではの価値を発揮するとは、他者にはない自分らしさ(=内発的な価値観)を行動に表すことです。

 いかがでしょうか。どちらも同じことを言っているように聞こえませんか。もちろん、事業の強みを作るために必要となる実際のアクションと、個人の強みを作るための実際のアクションとでは、内容は異なります。けれども、そもそも何を強みとするかを見出すための視点には、大きな違いはありません。

 論理思考を重視する人の中には、キャリア開発のような一見、実用的でない学習課題を軽視する人も少なくありません。逆に、自分の内発的価値観を活かすためのキャリア開発に重きを置く人の中には、論理や戦略といった一見、人間味を欠くような領域から身を遠ざけようとする人も見られます。しかし、そのような考え方では、視野が一面的になってしまい、創造的な発想が得られません。内と外、論理と非論理を分けて考えるのではなく、一体的に繋げて考えることによって、実り豊かな思考ができるようになると思います。

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