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女性が仕事で活躍するために(3):女性のキャリア意識を高める「サビカスの4つの問い」

[2009.07.21] 森 理宇子  プロフィール

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 この連載も3回目で最後の回になるため、私のキャリアに対する思いや女性のみなさんへの願いを書いてみようと思う。

 女性からキャリア相談を受けるときに、このような言葉をよく耳にする。

 「子供が生まれるので、仕事を続けるかどうか悩んでいます」
 「事務職の女性の仕事はだんだん少なくなってきて、専門性を求められているように思います」
 「女性も異動の機会が多くなり、新しい仕事に戸惑っています」
 「今まで頑張ってきましたが、ガラスの天井のようなものを感じます。これから先の道は女性には開けていないのではないでしょうか」

 このような言葉を聞くたびに、私は、「改めて自分を見つめなおして、可能性を信じ、あきらめずに仕事を続けてほしい」と思うのである。


 マーク・サビカスの「キャリアに関する4つの問い」

 ここで、マーク・サビカスのキャリアに関する質問を紹介しよう。サビカスはキャリアを専門とするアメリカの学者であり、職業選択における「自己概念」の重要性を説いたドナルド・スーパーや、働く人のパーソナリティ(性格)の特徴を表した「ホランドの6角形」で知られるジョン・ホランドの教え子でもある。

1.私のキャリアに未来はあるのか?
2.誰が私の未来を所有しようとしているのか?
3.私は自らの未来をどうしたいのか?
4.私はそれを実現できるか?

 この4つの質問をまずは、自分に問いかけてみてほしい。どんな答えが思い浮かんだだろうか。

 サビカスのこの問いは、キャリアへの「関心」「統制」「好奇心」「自信」に関する質問である。サビカスは、これら4つがキャリアを考えるうえで重要なことである、と説いている。
また、これは、「キャリア・アダプタビリティ」のある人かどうかを判断する基準でもある。
「キャリア・アダプタビリティ」とは、今日の変化の激しい環境下で、刻々と変わる状況に適合するために必要とされている能力である。アダプタビリティには、「自らが変わることによって適切な状況をつくる」「目的をもって変化する」「個人と環境の相互作用により変わる」という意味合いがある。


 女性が「キャリア・アダプタビリティ」を高める必要性

 私は、「キャリア・アダプタビリティ」は、激変する現在の環境では非常に必要とされるものであり、またライフサイクルに大きな影響を受けて選択を迫られる機会の多い女性には、とくに重要なことであると考えている。

 キャリア・アダプタビリティの高い人は、第一に、キャリアへの「関心」をもっている。過去から未来へと経験が連続しているという信念のもとに、仕事上の願望をもち、ビジョンを描いて、目指すべき未来に向かって具体的な活動を行うことができる。

 第二に、キャリアを「統制」することができる。それは、自らのキャリアを構築する責任は自分にあると自覚し確信することを意味している。

 第三に、「好奇心」をもって新しい経験を受け入れようとする信念、また、自分の可能性や多様な役割を試すことに価値があるとする信念をもっている。これは、新しいことへ挑戦し未知なる世界へ冒険してみようとする行動を起こさせて、自分の能力向上や成長の機会になる。

 最後に、「自信」である。キャリアを考える際には難しい問題が発生することが多いため、自信をもって問題解決に取り組むことが必要である。この自信は、仕事や家庭、地域などでの日常的な活動において生じる問題を解決できたという体験に基づく自信の積み重ねによってもたらされる。さらに、これらの活動で自分が周囲に役立っていると認識することで強化される。

 女性のキャリアを考えた場合に、置かれた状況が複雑で一筋縄では解決できないこともあるがゆえに、悩みの淵から抜け出せなくなってしまうことがあることは理解している。そのようなときこそ、この「キャリア・アダプタビリティ」を高めてはどうだろうか。


 本当の「自分の思い」を大切にしたキャリア開発を

 まず自分のキャリアに徹底的に関心をもち、自分は何をしたいか、何をできるかということを考えて、行動に移してみる。自分の人生は一度しかない。

 また、そのときに重要なことは、本当の自分の思いを大切にすることである。それは自分のやりたいことか、自分自身を活かすことかを心の奥深くまで問いかけてみてほしい。そこから生まれた答えは、きっと自分を輝かせてくれるものになるであろう。本当の自分の思いから行うことにはパワーがあり、どんなに苦しいことがあってもやり続けることができる。好奇心をもって新しい経験を重ねていくことで、それが自信につながっていく。

 自分のキャリアを描き目標を持ってそれに本気で取り組むことで、目標がかなえられるであろう。また、そのプロセスから計り知れない学びがあると思う。しかし、現実ばかりに目を奪われて自分の未来を描くことをせずに、いつも不安や恐ればかりを感じて逃げていたらどうだろうか?

 失敗を恐れず、自分の可能性を信じ、勇気をもって信じる道を歩んでいくことが、自分の人生の自信にもつながるのではないだろうか。

 全ての女性が、すばらしい可能性を持っている。全ての働く女性が活き活きと活躍できるようになることを願ってこのコラムの結びとしたい。

注:マーク・サビカスのキャリア理論については『新版キャリアの心理学』 渡辺三枝子編著
  第9章マーク・サビカス:キャリア構築理論(堀越弘著)より引用し一部加筆した。

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