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女性が仕事で活躍するために(2):女性にとって働き続けることは幸せなのか?

[2009.06.16] 森 理宇子  プロフィール

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 女性の活躍推進について連載をするにあたり、皆さんの参考になればという思いから、今回は自分の同級生の実情を紹介したい。


 卒業20年後の女子大生の今は?

 女子大卒業20周年のゼミの同窓会に出席した。ゼミ生14名が参加し、懐かしい大学の教室で卒業してからの生活を語り合った。

 私自身、卒業するときには、20年後の今の自分は全く想像ができなかった。自分以上にゼミの仲間の人生は想像が難しかったが、驚いたことに出席者の8割強にあたる12人が仕事をしていて、そのうちの約6割の人は卒業時に入社した会社に勤務し続けていたのである。

 同窓会出席者14人の内訳は次の通りであった。

 1.「両立」 出産しても仕事を続けている。4人
 2.「再就職」 結婚・出産などで仕事を中断し、再就職をした。4人
 3.「DINKS」 子供をもたないで仕事を続けている。2人
 4.「非婚就業」 結婚をせずに仕事を続けている。2人
 5.「専業主婦」 結婚・出産などで仕事を中断し、専業主婦をしている。2人


 なぜ働き続けるのか、辞めるのか?

 平成14年の総務省統計局「就業構造基本調査」における女性の年齢階級別有業率は、40~44歳で72%である。ゼミの仲間の有業率は86%(上記①~④が該当)で平均よりも高いが、その理由を同窓会での語らいなどから考えてみたい。

 第一に、経済学専攻であり、社会への関心が高い人が多かった。また、私たちが入学した当時は、共学よりも女子大の方が就職しやすいと言われており、もともと仕事への意欲が高い人が集まっていたとも考えられる。「社会的なつながりをなくしたくない」、「仕事をすることが自己実現につながる」、「やりがいをもつことができる」との声があがっていた。

 第二に、女性が働きやすい職場に勤めている人が多い。たとえば、「育児休業制度が使いやすい」、「昇進などの機会が女性にもある」、「魅力的な仕事ができる」などがあげられる。特に、卒業時に入社した会社で勤務を継続している人たちの属するほとんどの企業が、女性活用に積極的といわれている。

 第三に、私たちゼミ生だけの特徴ではないと思うが、経済的な理由である。「子供の教育費や住宅費の負担が重い」、「自分の自由になるお金が欲しい」などがあげられる。

 一方、そもそも仕事への意欲が高かった女性たちが仕事を中断した理由を聞いてみると、「労働時間が非常に長く体力的に限界を感じた」、「出産後勤務している女性がいなかった」、「家事・育児の負担が重かった」、「自分の手で子育てをしたかった」「夫の転勤に同行した」といった声が聞かれた。しかも、いったん仕事を中断した女性が正社員として再度働くことは難しいという実情も目の当たりにした。女性の再就職となると、ほとんどの場合、中断する前に勤めていたときよりも諸条件の劣るところが多く、就業の希望とその実現の間には大きなギャップがあるようだ。


 女性の生き方の選択肢はさまざま

 私たちの母親の世代は、結婚してから仕事を続けている人は少なかったが、私たちの世代では女性の生き方が大きく変化しているのではないかと思う。母の世代は、学校を卒業すると腰かけ程度の仕事か家事手伝いをして結婚し、出産後は家事・育児に専念するというのが一般的な生き方であった。しかし、ゼミ生の生き方をみてもわかるように、私たちはさまざまな生き方が選択可能となり、仕事を継続することを選択している人も大変増えている。

 私たちの世代は、20~40代にかけて、就職、結婚、出産、再就職などの重要な局面においていくつもの決断を下してきた。これは、肯定的に捉えれば、女性の働く職場が増えて男性と対等に仕事をするチャンスが広がったということであり、女性自身が主体的に人生を選択することができるようになったと言える。だが現実的には、身近なロールモデルが少ない中で、自分の人生の選択を常に迫られているということでもあり、選択肢の多さが迷いや焦燥を生む要因にもなっている。


 働き続けることが生き方の満足につながる

 しかしながら、ゼミの仲間たちの話を聞いて感じたことは、人生の選択の場面で悩み、考え抜いたことがその人の生き方をよりよいものにしているということである。また、多くの人が働き続けることを選び苦労もしているが、人生を精一杯生きている充実感を感じている。

 成人女性のアイデンティティ発達に関する研究*において、中年女性の生活の満足度をライフスタイル別に分析した結果では、職業と家庭の両立型の女性は、それ以外の女性に比べて、全般的に生活の諸側面に対する満足度が高いことが実証されている。

 最近は、専業主婦を希望する若い女性が増えていると聞くが、まずは仕事を続けるにはどうしたらよいのかを考えて、精一杯取り組んでみたらどうだろうか。子育てとの両立がとても大変そうに見えたり、男性社会の中で必死にやっている女性の苦労が目に見えたりするのかもしれないが、仕事を続ける中で得られることもたくさんあることを知ってほしい。


*出所:「成人女性の自我同一性に関する研究」岡本祐子 広島中央女子短期大学紀要 1991

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