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マーケッターの仕事は「送りバント」

[2009.06.03] 谷藤 友彦  プロフィール

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 「研修の現場から」というテーマにはややそぐわないが、私が携わるもうひとつの仕事=マーケティングについて書いてみたいと思う。

 私は研修プログラムの企画・開発とともに、マーケティング担当として人事・人材育成担当者様を対象としたセミナーの企画・集客や、提案書などの営業支援ツールの作成も行っている(そういう意味ではマーケティング担当というよりもプロモーション担当といった方が適切かもしれないが...)。

 このマーケッターというのは、野球でいうところの2番バッターであり、その仕事は送りバントだと考えている。

 研修ビジネスに限った話ではないが、大方の企業はまず商品を作り、プロモーションを行って見込み顧客を獲得し、実際に営業をかけて受注する、というプロセスをたどる。競合他社よりも圧倒的に優れた商品であったり、めちゃくちゃ優秀なセールスパーソンの集まりであったりすれば、商品だけの力、あるいは営業だけの力に頼って簡単に点数を入れる(=受注する)ことができるだろう。

 しかし、そんないつでも特定のポジションからホームランが出るのは、普通では考えられないことだ。だから、複数の人が大事に大事につないで点を取ろうとする。私の会社でいえば、商品=研修を実施する講師をトップバッターに据えて前面に出し、クリーンアップを打つ営業担当者との間にマーケッターが2番バッターとして入ることで、みんなでつないで1点、2点を取りに行く野球をしている。

 フィリップ・コトラーは、「マーケティングは、各事業部門への影響力を増したとしても、全社的には傍流であることに変わりはない。」(※)と述べているが、私もマーケッターというのはむやみに目立とうとしてはならない仕事だと思っている。

かっこいいネーミングを考えたり、見る人の心を打つパンフレットを作ったりすることは重要なことかもしれないが、それ自体が目的となってしまうのはおかしな話だ。

 マーケッターは、講師が出塁すれば、確実に送りバントを決めて得点圏にランナーを進め、営業担当者のワンヒットで講師がホームに帰って来られるような状況を作り出すことが仕事である。つまり、商品の内容や特徴を的確に市場に伝えることで顧客と商品との距離を縮め、顧客が購買意思決定のボタンを押すのを営業の後方から支援することが仕事なのである。

 自分がバスターエンドランを決めようとか、長打を狙おうとか欲を出すのは危険だ。折角のチャンスを、一発で台無しにしてしまう可能性が高い。もちろん、時にはギャンブルも必要だろう。
しかし、マーケッターの大半の仕事に要求されるのは「確実性」だと思うのである。

(※)フィリップ・コトラー、ニール・ラッカム、スジ・クリシュナスワミ「営業とマーケティングの壁を壊す」(『最強の営業力』DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2006年10月号)

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